
インドネシアには世界最高級コーヒー「コピ・ルアク(ルアックコーヒー)」がある。販売している地域によっては、1杯100ドル(約8,000円)もする代物だ。
ジャコウネコのフンから取り出される最高級コーヒー
実は「ルアック」とはジャコウネコの事。ジャコウネコが排泄したコーヒー豆を焙煎したのが、この「ルアックコーヒー」なのだ。米国では、「Civet Cofee (ジャコウネココーヒーの意)」と言うらしい。
ジャコウネコは、熟した消化しやすいコーヒー豆を食べる。彼らの消化液が豆に染み込み、絶妙な化学変化を起こす。そんな豆をフンから取りだして洗って焙煎すると、苦みが消え、ソフトな風味になるそうだ。
このコーヒー豆は、スマトラ島やジャワ島、スラウェン島などで生産されているが、近年、米国、オーストラリア、日本、韓国、シンガポールなどに輸出されており、需要がどんどん高まっている。日本では、JALなどが取り扱っているとのこと。
もともとは、インドネシアがオランダの植民地だった時代、コーヒー豆を採る事を許可されなかった農民たちが、森に生息するジャコウネコのフンに、消化されきっていないコーヒー豆を見つけ、洗って焙煎したのがきっかけだ。
生計のための苦肉の策が、今や世界一高級なコーヒーを作りだすことになった。もしかしたら、殺戮などしないで、フンを使ってくれた人々へのジャコウネコからの恩返しなのかもしれない。
残念ながら、ただのネコのフンからは何も採れないのでご注意を!
コピ・ルアク