モーガン・フリーマン(1937~)
刑務所を舞台にした骨太の社会ドラマ作品『ブルベイカー』にて、ロバート・レッドフォードと共演した俳優、それがモーガン・フリーマンである。柔和な容姿と挙措が織り成す温かな雰囲気が、物語の質をぐんと高めてくれる人物だ。

1937年、アメリカのテネシーにて生まれる。本名はモーガン・ポーターフィールド・フリーマン、ジュニア。アフリカ系アメリカ人の血筋、父は床屋。4人兄弟である。生誕後の一家はアメリカ各地を転々としたが、1941年、4歳頃、シカゴに腰を落ち着けた。幼少時代から演劇に対して興味と才能を示し、1946年、9歳には、学内劇にて主役を演じ切っている。1949年、12歳、イリノイ州演劇コンクールにて優勝を果たし、1952年、15歳、高校進学後は俳優としての活動を始め、ラジオドラマへの出演をこなしている。1955年、18歳、演劇奨学金付きの大学進学を断り、アメリカ空軍の機械工に就職。1962年、25歳からは短期大学の事務員に従事。こうした職をこなす傍ら演劇への関わりも続け、ダンサー、オペラ、映画の端役、ブロードウェイなど、数々の俳優活動を行う。1971年、34歳から3年間、子供向けのテレビ番組へ出演。同番組によって一気に知名度を上げた彼は映画への出演機会が増えるようになり、1989年、52歳、『ドライビング Miss デイジー』にて好演、アカデミー助演男優賞にノミネートされ、俳優としての確固たる地盤を固める。以後は、『グローリー』、『アミスタッド』、『インビクタス/負けざる者たち』といった史実作品、デヴィッド・フィンチャー監督『セブン』、ベン・キングスレー共演『ラッキーナンバー7』、アンジェリーナ・ジョリー共演『ウォンテッド』といったミステリーサスペンス作品、フランク・ダラボン監督『ショーシャンクの空に』、ジャック・ニコルソン共演『最高の人生の見つけ方』、クリント・イーストウッド監督『ミリオンダラー・ベイビー』といったヒューマンドラマ作品、ジム・キャリー共演『ブルース・オールマイティ』、スティーブ・カレル共演『エバン・オールマイティ』といったコミディ作品、クリスチャン・ベイル共演『バットマン・ビギンズ』、『ダークナイト』といったSF作品など、あらゆるジャンルの作品にて好演を続けている。また、スティーブン・スピルバーグ監督『宇宙戦争』、『皇帝ペンギン』などでは独特の静謐な声質を活かし、名ナレーターとしても活躍している。
2度の結婚暦がある。1度目のジャネットとの間に2人、2度目のマーナとの間に1人の子どもがいる。また、マーナの連れ子である娘が1人おり、モーガンの養子となっている。マーナとは1984年、47歳にて結婚し、24年後の2008年、71歳にて破局した。ジャネあットとの息子、アルフォンソは俳優であり、『ショーンシャンクの空に』、『最高の人生の初め方』において親子共演を果たしている。レストラン『マディディ』、ブルースクラブ『グラウンド・ゼロ』を経営中。店はミシシッピ、クラークスデールの街にある。
ちなみに、『ショーンシャンクの空に』におけるフリーマン親子共演は、共演と言えども同シーンの発見は少々難儀となろう。囚人レッド役演ずるモーガン・フリーマンが、仮釈放審査を受ける場面。レッドの個人書類に貼られていた顔写真が、アルフォンソのものなのである。他、アルフォンソは物語冒頭における新人いびりの場面にて、野次を飛ばす大勢の囚人たちの中の1人として出演をしている。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Mogan Freeman (IMDb、英語)