ハンス・ジマー(1957~)
マイケルベイ監督、ブルース・ウィリス主演『アルマゲドン』、小島秀夫監督のアクションゲーム傑作『メタルギアソリッド』などの映画音楽を手掛けるジョン・グレッグ=ウィリアムズが師事を受けた音楽家、それがハンス・ジマーである。ぞくりと轟く主旋律が印象的、物語を一気に躍動させる壮大なオーケストラを描く人物だ。

1957年、ドイツのフランクフルトにて生まれる。本名はハンス・フロリアン・ジマー。幼少時代に父が逝去、これが原因でひどく落ち込むが、音楽へ逃げ込む事で立ち直る。それ以来、音楽に親しむようになり、1975年、18歳、ロンドンへ移住し名門大学へ進学する一方、キーボードとシンセサイザーの演奏家として活動を始める。1980年、23歳、映画音楽作曲家のスタンリーから指導を受けた後、1985年、28歳にてアメリカへ移住。これより本格的に映画音楽家としての活動を始め、1988年、31歳、トム・クルーズ、ダスティン・ホフマン共演『レインマン』の映画音楽を担当、同作品の成功により大きな注目を浴びる。続けてリドリー・スコット監督、マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、松田優作ら出演『ブラック・レイン』、リドリー監督、ブラッド・ピット出演『テルマ&ルイーズ』、モーガン・フリーマン出演『ドライビングMissテイジー』などを手掛けて着実にキャリアを重ねた後、作曲家のグループ「リモート・コントロール・プロダクション」を設立。以後、トム・ハンクス主演『プリティ・リーグ』、『クール・ランニング』、ディズニー映画『ライオン・キング』、ジョージ・クルーニー、ニコール・キッドマン共演『レインメーカー』、ショーン・ペン、エイドリアン・ブロディら出演『シン・レッド・ライン』、トム・クルーズ主演『ミッション・インポッシブルⅡ』、マイケル・ベイ監督『パール・ハーバー』、ダン・ブラウン原作、トム・ハンクス主演、『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズなど、アクション作品からドラマ作品まで幅広い音楽作品を描き続けている。リドリー・スコット監督と仕事を共にする事も多く、アンソニー・ホプキンス主演のダークミステリー『ハンニバル』、ユアン・マクレガー出演『ブラックホーク・ダウン』、ニコラス・ケイジ主演『マッチスティック・マン』などの音楽を担当し、中でもラッセル・クロウ主演、古代ローマを舞台とした『グラディエーター』ではゴールデングローブ賞を受賞する。『グラディエーター』の楽曲とよく似た『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのテーマ曲も大きな人気を博している。
2度の結婚暦がある。2度目は1982年、25歳、ヴィッキーと結婚しており、1人の子どもをもうけるも、10年後の1992年、35歳にて破局した。『グラディエーター』などの楽曲について、グスターヴ・ホルストの組曲『惑星』、リヒャルト・ワーグナー『ニーベルングの指環』と酷似しているラインが多いらしく、2006年、41歳、ホルスト財団から著作権侵害の訴えが起こされている。両者は現在も論争中である。
ちなみに、真偽のほどは不明だが、ハンスはROLAND社のサンプラー S-760を愛用しており、40台も保有しているとの事らしい。サンプラーとは、標本《Sample;サンプル》となる音声を電子化して機械に取り込み、音楽演奏や作曲の際に応用しやすくする装置。S-760はその装置の中でも名機とされているが、現在は生産を停止している。尚、サンプラー装置が出た1970年頃は住宅が丸ごと変える値段であったが、現在の価格は1万円を下る。時代と共に、価値も変わるものである。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Hans Zimmer (IMDb、英語)ハンス・ジマー,レインマン,グラディエーター,映画,シネマのすすめ