ニコラス・ケイジ (1964~)
ジョン・ウー監督、総指揮にマイケル・ダグラスを据えた、体が入れ替わるという肉迫した演技を楽しめるアクション映画『フェイス/オフ』にてジョン・トラボルタと共演しているのが、ニコラス・ケイジである。ひどく退屈なストーリーでも巧みに観客を惹き込ませる、軽快な存在感がある。
1964年、アメリカのカルフォルニアに生まれる。本名はニコラス・キム・コッポラ。父は大学教授、母はバレエ・ダンサー。兄がいる。その名の通り彼は映画一族たるコッポラ家系の一員であり、父オーガストは『地獄の黙示録』でお馴染みのフランシス・コッポラ監督の兄。つまりニコラスはフランシス・コッポラの甥っ子に当たる事になるが、本人は叔父を基点にして自分の名を評される事をあまり好ましく思っていない様子である。1980年、17歳、ビバリーヒルズ高校を中退後、本格的に俳優業を始め、1981年、18歳にて『リッジモント・ハイ』で映画初出演。俳優名はニコラス・コッポラであったが、先述の通りコッポラ監督の印象が強すぎる為、この作品後すぐにケイジへ改名をする。以後、『コットン・クラブ』や『赤ちゃん泥棒』などで地道に実力を示しつつキャリアを重ね、1995年『リービング・ラスベガス』にてアカデミー男優賞を受賞。続く作品、マイケル・ベイ監督『ザ・ロック』、ハイジャック・アクション『コン・エアー』、上記の『フェイス/オフ』などの傑作アクション映画に出演し、俳優としての確かな地位を築く。『ロード・オブ・ウォー』や『ワールド・トレード・センター』など真面目な実話作品にも、先の大衆的な軽作品にも、バランス良く出演しながら人気を博している。今年2010年7月、46歳、ニコラス主演のディズニー映画『魔法使いの弟子』が公開予定である。
彼の軽快なあの雰囲気を鑑みると納得する所であるが、趣味はアメリカン・コミックと高級車フェラーリの収集。ニコラスはこのどちらも熱心に収集、鑑賞しており、フェラーリに関しては現行車種全てを所有する気の入れようである。アメコミ好きに至っても、自らの芸名「ケイジ」はアメコミでお馴染みのマーヴェル社『パワーマン』の主人公から拝借したぐらいであるし、2005年に生まれた息子の名前には『スーパーマン』の本名「カルエル」を与えている。前者2つほどでは無いが、カルト映画好きでも知られており、1973年に公開されたイギリスのカルト映画『ウィッカーマン』を、2006年に自費でリメイクしている。
結婚暦は3回。1995年、31歳にて女優パトリシアと結婚するも、6年後の2001年に破局。翌2002年、38歳にてエルヴィス・プレスリーの娘リサと結婚。が、こちらは3ヶ月で破局。余談であるが、リサは1996年、26歳の時にマイケル・ジャクソンと結婚し、2年で破局している。ニコラスはその後、2004年、40歳、寿司料理店で働いていた韓国系のウェイトレス、アリスと結婚した。息子「カルエル」が1人いる。
ちなみに、上記『ウィッカーマン』は最低の映画作品に送るラジー賞5部門にノミネートされてしまった。ストーリーの浅薄さは否めないが、アーロン・エッカートやジェームズ・フランコらがさりげなく登場しており、演出や構成もなかなか洗練されているので、筆者としては少なからず楽しめた作品である。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Nicolas Cage(IMDb、英語)