パトリック・スチュワート(1940~)
筆者は映画をこよなく愛する世界中のファンのうちの1人である。現在、4000本近い映画を網羅し、これらをきっちりと体系化している最中だ。さて、筆者はこれまで数珠繋ぎの形で5人の俳優や監督を紹介して来ており、今後も読者諸賢の映画生活の糧になるよう、「CINEMAのすすめ」というタイトルに統一し、この試みを持続させるつもりでいる。
――『X-MEN』にて、ヒュー・ジャックマンのウルヴァリン役に劣らぬ支柱を為すのが、プロフェッサーX役、パトリック・スチュワートである。『X-MEN』シリーズのプロフェッサーX役、『新スタートレック』シリーズのピカード艦長役として、これらシリーズにおいては絶対不可欠、大変に存在感のある、素晴らしい俳優である。
1940年、イギリスのマーフィールドで生まれる。父は織物業を営む。演劇に対する興味は少年時代からあったようで、12歳の頃に出演した地元ドラマの端役が彼の俳優としての始めてのキャリアとなる。以後、劇場などに出入りして演劇を勉強しながら、中学校を卒業。15歳になると地元紙の少年リポーターとして働きながら、やはり演劇を続ける。演劇熱を指摘されてリポーターの職を辞した後は、家具のセールスマンとして1年間真面目に働き、演劇学校に通う資金を貯める。1957年、17歳、ブリストル・オールド・ヴィック劇場の支配人に認められた後は着実に経験を積み、シェイクスピア劇の舞台俳優として活躍する。この際に見に付けたロイヤル・イングリッシュによって、彼の英語回しはかなり格調高いものとなっている。1987年、47歳、筆者の愛して止まないSFドラマ『スタートレック』の新シリーズ、「ネクストジェネレーション」のジャン=リュック・ピカード艦長役に抜擢。ドラマシリーズも役柄も大人気を博し、以後、世界中で知られる俳優となる。1994年、54歳でピカード艦長役を辞した後、2000年、60歳で舞いこんだ仕事が『X―MEN』のプロフェッサーX役。これまた作品も役柄も大ヒット。今年2010年には英国王室からナイトの称号を授与されている。1966年、26歳の頃に結婚しているが、スタートレックの多忙さからか結婚生活が行き詰まり、1990、50歳で離婚。2000年、60歳でスタートレックの女性プロデューサーと結婚するも、3年で破局。子どもはいなかったと記憶している。
ちなみに、宮崎駿の傑作アニメ『風の谷のナウシカ』の米国版のユパ役として、パトリックが声優をこなしている。それにしても流石は世界のジブリアニメ、この作品の声優は大変豪華である。誰が出ているのか興味のある諸賢は、下記の動画を参照されたし。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Patric Stewart(IMDb、英語)風の谷のナウシカ(米国版)声優のダイジェスト映像(Youtube、英語)