CINEMAのすすめ [元気で陽気なシスタークラレンス]

『スタートレック』の女性通信士官ウフーラ役、ニシェル・ニコルズに憧れて女優になった人がいる。コメディ映画を思う様盛り立ててくれたその女優こそが、ウーピー・ゴールドバーグである。本名はクレイン・エラーネ・ジョンソン。芸名は少女時代において劇団で使用していた芸名Whoop! Cusion《ウップス！キュージョン：日本で言うブーブークッション》に少し手を入れたもの。
1955年、アメリカのニューヨークにて生まれる。父は牧師であったが、離婚し家を去る。看護婦であり教師でもある母エマが彼女を育てる。「厳しく強い、そして賢明な母だった」とウーピーは回想する。1966年、11歳の頃、『スタートレック』の放送開始。登場人物ウフーラは当時のテレビ界では異例中の異例、黒人女性のキャスティングであり、ウーピーは彼女の活躍に著しい感動を覚える。以後、劇団に所属し熱心に活動、コメディの舞台やテレビ番組の仕事を着実にこなして行く。1985年、30歳、彼女の出演しているブロードウェイの舞台が大ヒットを記録。この舞台の演技を認められ、同年、スピルバーグ監督の映画、19世紀初頭のアメリカ南部に生きた黒人姉妹を主題とした『カラーパープル』に主演。この作品を皮切りに、1987年、32歳、『新スタートレック』のガイナン役――、1990年、35歳、『ゴースト/ニューヨークの恋人』――、1992年、37歳、『天使にラブソングを』――といった具合に、傑作映画に次々出演を果たした。数多くの作品に登場した後、2007年、52歳、女優活動の引退宣言。以後はテレビ番組のトークショーやラジオの仕事に打ち込んでいる。私生活においては、3回の結婚暦がある。

女優業は引退したけれど、諸賢はまだ映画の中でウーピーの魅力を楽しむ事が出来る。日本にて今年の7月10日に公開予定のピクサー製作ＣＧアニメ映画『トイ・ストーリー３』、ストレッチ・オクトパス役の声優として出演をしているのだ。傑作アニメを創作し続けるピクサー映画である。今作も期待している……が、筆者としては一抹の不安を感じている。この作品の舞台は前作から十数年後。キャラクターたちの個性が根付き、しっかりと動き始めたアニメにおいては、無理に時間を移動させるべきでは無いというのが筆者の考えである。観ている側の安定感が失落するからだ。はて、完成度は如何に？



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STAR TREK （IMDb、英語）