日本ベリサイン株式会社(以下、ベリサイン)は、エンタープライズ向け「ベリサインマネージドPKI for SSL」において、「Subject Alternative Names(サブジェクトの別名、以下、SANs)」のサポートを2010年7月15日より開始することを発表した。
『SANs』とは、1枚のSSLサーバ証明書で、複数のコモンネーム(FQDN名)をサポートするもの。サーバIDの申請・取得時に認証局へ提出する署名リクエスト(Certificate Signing Request、以下CSR)を生成する際、SSLサーバ証明書のサブジェクトフィールドで指定したコモンネームとは別に、SANsフィールドに異なるコモンネームを設定することが可能になり、クライアントのブラウザからは、どちらのコモンネームに対してもアクセスが可能となる。
『SANs』を利用することで、ユーザーは、コモンネーム毎に複数回行ってきたCSR生成、申請、インストール作業が1回で可能になり、運用工数が削減できたり、1枚のSSLサーバ証明書しかインストールできない仕様のサーバでも、複数のコモンネームでのアクセスが可能になるという。
なお、『SANs』の対象となるシステムは、ベリサインマネージドPKI for SSLで取り扱うベリサインのサーバSSL証明書各種で、申請および設定は、7月15日より可能。
PKI(Public Key Infrastructure)とは、公開鍵と秘密鍵のキーペアからなる「公開鍵暗号方式」という技術を利用してデジタルデータのやり取りを安全に行おうとする仕組みのこと。また、SSLとは、セキュリティを高めるために行われる暗号化通信の規約(プロトコル)のことで、「SSLサーバ証明書」が導入されているサイトに“https”から始まるURLでアクセスする事で、通信の暗号化及び、ウェブサイトの運営者を確認する事ができる。確認方法としては、前述のとおりURLが“https”から始まっているか?とか、ブラウザに「鍵マークのアイコン」が表示されているか?といったものがある。
インターネット上での情報発信が活発の一途の状況では、次なるステップアップとして「情報の信用性」がユーザーを引き寄せる重要な要因となってくる。その実践手法の一つが「サーバー証明書」であるが、証明書の取得からサーバーへのインストール、運用時の管理など作業は煩雑なものになりがちだ。こういった副次的な手間は、できるだけ簡略化できればそれにこしたことはない。
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