クリステン・スチュワート(1990~)
日本の長寿アニメ『ルパン3世』でお馴染みの銭形警部は「昭和一ケタ」生まれの実直な男である。激動の昭和時代を経て、日本は新しい時代へと突入した――という訳で、今では「平成一ケタ」という人物がそこどこに存在するのであるが、『トワイライト』シリーズのヒロイン役で知名度を急上昇させた女優もまたその1人だ。デヴィッド・フィンチャー監督『パニック・ルーム』ではジョディー・フォスターと共に見事な演技をこなした、クリステン・スチュワートである。
1990年、アメリカのロサンゼルスに生まれる。本名はクリステン・ジェイムス・スチュワート。父はエンターテイメント業界最大手の制作会社FOXのプロデューサー。兄がいる。父の仕事柄スターダムの世界は身近であったが、彼女が女優として起用される契機となったのはコネというより彼女の才能に拠る。1999年、9歳の頃に小学校で演じたクリスマスの劇にて、その才能に惚れ込んだ映画関係者が彼女をスカウト。同年に台詞無しの端役として映画初出演を果たし、10歳、11歳と続けて簡単な役をこなす。2002年、12歳、先述の『パニック・ルーム』の娘役に抜擢。同作品において確かな演技の実力を示した彼女は、少女役として次々に映画への出演を果たしキャリアを重ね、2009年、19歳にて、『トワイライト~初恋~』のベラ役に大抜擢される。『トワイライト』は10代の人びとに絶大な人気を誇るアメリカのファンタジー小説。それだけに完成度への期待も高かったが、映画版も彼ら若い世代から支持される結果となり、追随してクリステンも世界中の若い世代から好評価を受けるに至った。続編に当たる『ニュームーン/トワイライト・サーガ』、『エスクリプト/トワイライト・サーガ』も好評。現在、早くも同シリーズ4作目に当たる《The Twilight Saga: Breaking Dawn - Part 1》の製作が始まっている。
『トワイライト』で共演しているエドワード役のロバート・パティソンと交際している。将来はオーストラリア人の母がかつて通っていたシドニー大学へ進学し、文学を学んで作家に打ち込みたいという希望があるらしい。物怖じのしない自信家らしく、インタビューなどでは堂々たる受け答えをしている。
ちなみに、瞬間移動の能力者を描いたSF作品、タグ・リーマン監督、やサミュエル・L・ジャクソンらが出演する『ジャンパー』にて、彼女がちらりとカメオ出演している場面がある。しかしカメオとは言え重要度の高いラストシーンであるし、カメラのアップもあるので、印象には残りやすい。
ムービーデータベース(IMDb、英語)Kristen Stewart (Wikipedia、英語)