株式会社大林組は、鉄筋・鉄骨の「着磁」部位を容易に検出する『マグトレーサー』を開発した。
今回開発した「着磁」検出器『マグトレーサー』は、従来の手法に比べ、「着磁」個所を簡易に検出することが可能となっており、同製品を用いることにより、「脱磁」処理までの「着磁」対策が非常に容易になることが見込まれている。
「着磁」とは、鉄が磁力を帯びてしまう現象のこと。建物において、構造体である鉄筋や鉄骨等が「着磁」してしまった場合にはその個所から長期間磁界が発生することとなり、電子顕微鏡やCRT画面などの磁界の影響を受けやすい電子機器を使用する際に障害が発生する恐れがある。
「着磁」の発生原因は、電気溶接を行う際、溶接ケーブルに大きな電流が流れて周囲に強い磁界が発生するためで、影響を受ける電子機器を使用する施設の工事において電気溶接を行った場合は、施工後に「着磁」個所を測定し、状況により「脱磁」を行う必要があるとされている。
「脱磁」とは、強い磁気の影響により部品が磁気を帯びてしまった場合に、帯びた磁気を消す作業のこと。
宇宙を構成する惑星に住む人類として磁気とともに生きることは仕方のないこと。除くのではなく、あるものをはがす。微妙な違いが、大きな発見を生み出すのではないだろうか。
株式会社大林組リリース