シルベスタ・スタローン(1947~)
アーノルド・シュワルツネッガーの親友でありビジネスパートナー、彼と同じく肉体派の名俳優として燦然と輝く人物、それがシルベスタ・スタローンである。鍛え抜かれた肉体、不屈の精神力。『ロッキー』シリーズも、『ランボー』シリーズも、彼は映画を通じ、我々に逞しく強い勇気と希望を与えてくれる。

1946年、アメリカのニューヨークにて生まれる。本名はシルベスタ・ガーデンツィオ・スタローン。父はイタリア系の美容師、母は元ダンサーの占星術師。母ジャッキーは占星術師としてテレビでも活躍していた有名人である。出産時、産科医のミスにより顔面左の神経が傷つき、麻痺と言語障害が残る。この事により周囲からいじめの対象にされ、劣等感から内向的な少年時代を過ごす。1955年、9歳、両親が離婚、母に引き取られる。次第に心を荒ませた彼は粗暴な態度を取るようになり、小学校、中学校合わせて14校から退学処分を受ける。その一方、1969年、14歳からは母の経営していたボクシングジムにか良い詰め、本格的に体を鍛え始める。1964年、18歳、高校卒業後、美容学校へ進学するも中退。体育奨学金を獲得し、スイスのアメリカ大学へ進学。同大学で演劇に興味を抱き、1967年、21歳、アメリカに戻りマイアミ大学の演劇学部へ入学、演技の勉学を積む。1969年、23歳、ニューヨークへ移住。俳優活動を始めるが生活は困窮しており、ポルノ、コメディなどのB級映画への出演、ボディーガードなどで何とか日銭をつなぐ。1975年、29歳、世界ヘビー級タイトルマッチ、モハメド・アリ対チェック・ウェプナーのボクシング試合を観戦して大きな感動を覚え、それから3日で脚本を完成。企画が受け入れられ、同年、低予算、小規模にて、『ロッキー』が公開。同作品は次第に人気を博し、最終的には世界中から大喝采を浴びる事となり、主人公ロッキーと共にシルベスタ自身も一気にスターダムを駆け上る。以後、『クリフハンガー』、『デイライト』、『コップランド』など、アクション映画を中心に活躍を続ける一報、『ロッキー』シリーズ、『ランボー』シリーズなどでは出演と共に監督、脚本もこなし、傑作映画を描き続けている。2週間後、2010年8月13日、監督、脚本、主演作品の『エクスペンダブルズ』がアメリカにて公開予定。同作品には共演者として、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツネッガーという、豪華アクション俳優たちが登場する。
1974年、28歳、サーシャと結婚し2人の子どもをもうけるも、9年後の1985年、37歳にて破局。同年、ブリジットと結婚するも、2年後の1987年、39歳にて破局。1997年、49歳にてジェニファーと結婚、3人の子どもがいる。一度は失ったカトリック信仰を再び取り戻し、現在は教会に通っている。ランボー役では激しい銃撃戦を繰り広げている彼であるが平和論者であり、銃犯罪防止の活動を支援している。
ちなみに、『ロッキー』のエイドリアン役でお馴染みの女優タリア・シャイアであるが、彼女の本名はタリア・ローズ・コッポラ、コッポラ家系の一員である。兄に映画監督フランシス・コッポラ、姪にソフィア・コッポラ、甥にニコラス・ケイジがいる。1989年、シルベスタ41歳、タリアが仲介となって『ゴッドファーザー PartⅢ』の監督、出演をこなすという話が決まりかけていたのだが、兄フランシスがこれを拒否して実現はしなかった。出演するとしたら、彼は誰の役であったろう。銀行頭取のフレデリック役あたりだろうか。とことんシチリア人らしい顔立ちをしたシルベスタである。それはそれで、画面を彩ってくれたに違いない。
ムービーデータベース(IMDb、英語)<a href=" http://www.imdb.com/name/nm0000230/" target="_blank">Sylvester Stallone (IMDb、英語)</a>